小説

『そして、バトンは渡された』(著・瀬尾まいこ) 感想考察 ドラマキャスト情報

2019年 本屋大賞
第1位

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幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れてない”父”と暮らす。血の繋がらない親の間をリレーされながらも出逢う家族皆に愛情いっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つときーー。大絶賛の本屋大賞受賞作。

bookより

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『そして、バトンは渡された』感想

読みやすさ 
おもしろさ 
ほっこり  

 

あらすじから、親戚知り合いをたらい回しにあっている10代の子のお話なのかな、、、、と少し暗いイメージを想像していましたが、全然そんな場面は一切なく。血の繋がりはないけど人の子を愛してくれる人たちのお話でした。

最初から最後まで優しく、穏やかな物語でした。

 

 

家庭の状況が変わるのって、いったい学校クラスにどれぐらいいるんでしょうか

気づいたら母子家庭、父子家庭の子がいた。最初からシングルの子もいる。いつの間にか周りの子の家庭環境が変わっているなんてザラだと思う。
あからさまなのは、転校してしまう子だと思う。1/2のどちらかで、親の転勤かそうでないかだと思う。

 

 

この本の第一章の始まりの一文は「困った。全然不幸ではないのだ。」です

世の中の母子家庭父子家庭で、困ったと感じている子どもはどれぐらいいるのだろうか。
私は、どうだっただろうか。と考えさせられました

 

私事ですが、困ったことは少なかったと思います。選択肢が無いのは仕方がないけど、父(仮)の突然変異に困った。

最終的に、その父(仮)とは別れたし、私には血の繋がった母も居たし兄妹もいた。今までも不幸だとは思わなかったけど、恐怖があった。やっと”平穏な”幸せを手に入れたとは思います。

 

主人公・優子は、不幸も恐怖もなかっただろうけど、父親と離れた時はいつも寂しさを感じていたのではないかと思います。

寂しさをあらわにしているのは幼い頃でしたが、いつからか生きるためのたくましさが出てきました。

友達に無視されたって、勉強をおろそかにするのはよくない。萌絵や史奈はいい友達だけど、私の将来を約束してはくれない

たくましさを表した一文だと思いました。

これは社会に出てから思うものでもあるのではないかと思うのですが、高校生で友達を最優先にしていないところにたくましさを感じました

 

「将来を約束してくれない」

確かに!!思い切った考えです。
将来を導いてくれるのは自分であり、その傍らに親がいる三人四脚または二人三脚。友達は一緒に頑張る戦友

 

優子がたくましく廃れていないのは、親になってくれた人たちが優子のためになんとかしようと奮起し、明るく照らし穏やかに見守っていてくれたから。とても素敵な人たちでした

 

明日が二つになったって

自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日ができるなんて、すごいと思わない?未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。それってどこでもドア以来の発明だよな。しかもドラえもんは漫画で優子ちゃんは現実にいる。
(中略)
優子ちゃんと暮らし始めて、明日はちゃんと二つになったよ。自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる。すごいよな。

 

子どもに対して「明日が二つになる」なんて発想は、私にはありませんでした。まだまだ私も人のこのままだなと反省。

世の中の親はそんな風に思っているのだろうか。そうな風に思っていなくても、似たような「子どものためならなんだってできる」って気持ちのことだと思います

でも他人の子に「明日が二つになる」って思える森宮さん梨花さんは素敵だ。

映画化

映画化されてます!

21年10月29日公開!!

映画『そして、バトンは渡された』公式サイト

森宮優子:永野芽郁
森宮さん:田中圭
早瀬賢人:岡田健史
梨花:石原さとみ
水戸:大森南朋
泉ヶ原:市村正親
みぃたん:稲垣来泉

優子のさっぱりした感じが永野芽郁さんで、落ち着きのない?女性梨花を石原さとみさん。

優子を可愛がる梨花の想像を2人で当てはめた時、とてもしっくりきました!!

映画 感想

映画 感想(ネタバレ含)

泣きました!
原作を読み返したくなる!
梨花さんの生き方が潔いっていうか、最後の最後まで優子ちゃんを想ってることに涙。

優子ちゃんと森宮さんのやり取りも面白かった!

梨花さんに対しての3択とかw 確かにどれも有り得そう 笑

親巡りも真面目なのに軽い感じが 笑いです

あれは泣きます!
泣いてしまう
原作を読み返したい!
これだから実写を見るのをやめられない!

 

って感じの勢いで思いました( ´﹀` )

でも、梨花さんの名言「明日が二つなった」があっさりしてて、ちょっとショックでした

 

もっと響かせてほしかった

 

 

おわりに

本屋大賞 第1位になったのに納得の1冊でした。
本屋大賞には、読みやすい本が多いので読書が苦手な方でもスンなり読めると思います。

 

これから親になる人。親になったばかりの人。20代に読んでほしい。(個人的に)

 

子どもを育てるのに不安なことがたくさんあると思います。
私も仕事柄、自分にこんなに投資さてれいたのかと思うと、怖気づいていました

 

でも、「明日が二つになる」って考えが加わり少し未来が明るくなりました。大事な明日が増えることで、森宮さんみたいに奮起する人も多いんだと思います

もっと増えてほしいです。

 

中学生高校生にも読んでほしいです。できれば中学2年生〜高校1年生。
主に高校を舞台とした話で、先ほど紹介した一文が刺さってくれたら、高校生活が少しでも変わるのではと思って。

「もし過去に戻れるならば、どこに戻りたい?」
と問われた時、学生時代をあげる方が多いのではないだろうか

私も可能ならば、中学の頃に戻りたいです
勉強をやり直したいと、答えます

 

後悔のないように。将来を繋いでくれるのは自分であることを気づいてほしい。とメッセージを込めてオススメします(^^)