小説

『吉祥寺よろず怪事請負処』(著・結城光流)感想 登場人物まとめ

角川ビーンズ文庫『少年陰陽師』シリーズの著者がおくる現代版『陰陽師』の物語です!!

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吉祥寺のガーデンショップ「栽 – SAI – 」に居候中の大学生・保。無口な住み込みの庭師・啓介は、保にとって兄のような存在だ。ある日保は、大学生の先輩から相談を受ける。祖母が大事にしている古い梅の木を伐ろうとすると、次々不吉なことが怒るのだというのだ。それを解決してくれたのは、なんと啓介。彼は現代に生きるすご腕の陰陽師だったのだーー!庭にまつわる不思議な事件、解決します。現代の陰陽師のもがたり開幕!

bookより

『吉祥寺よろず怪事請負処』感想

おもしろさ 
読みやすさ 
怖さ    

 

主人公の保の性格や反応が愉快な感じです(笑)

でも「説明が欲しい」って部分がたくさんあるので、ちょっとフワッとしていて不明な点が残るかもと思いました。

でも短編で構成されている300ページ満たない文庫なので、電車でサラッと読める本だと思います。読書家さんは1、2日で読んでしまえるかもです

 

 

登場人物も少しししか出ていませんが、いきなり複数人出てくるので簡単ですが、各家族を一覧にしました!※太字は主な登場人物(よく出てきます)

登場人物

丹羽家

造園会社を経営している
会社名『栽園』。八王子にある
吉祥寺に店舗「栽 -SAI- 」がある

  •   :丹羽家の次男。大学生、大学を機に大叔父の草一郎の家に居候。料理番
  • 耕一郎:『栽園』の社長。保の祖父
  • 咲  :保の祖母。耕一郎の妻
  • 豊  :保の父
  • 繁  :保の兄
  • 実梨 :保の妹
  • 草一郎:耕一郎の弟。店舗「栽 -SAI- 」の店主
  • 文月 :草一郎の妻。故人
  • 葉月 :草一郎と文月の息子。結婚して独立している

 

久世家

陰陽師の家系

  • 啓介 :久世家の次男。すご腕の陰陽師。丹羽草一郎の家の住み込みの庭職人。
  • 弓弦 :久世家の三男?後妻の子。
  • 啓介母:故人。啓介兄の目を持っている????
  • 啓介兄:久世家の長男。故人
  • 朱鷺子ときこ:弓弦の母。後妻。

 

保の大学の友人(?)

下線は相談内容

  • 広崎陽太:保高校からの知り合い、友人?。女子にモテるが、お調子もの。羽アリにに悩み、庭師の保に相談をする
  • 芳垣香澄:保の一学年先輩。美人。保に祖父母の梅の木の相談をする

 

読むコツ

 

保が、相談を受けたり怪異に遭ったり異界に入ってしまったり、よく転んだりしています。

そんな保を、住み込み庭師ですご腕の陰陽師・啓介が相談を解決してくれたり、怪異や異界の被害に遭う保を助けたり、転ぶ保を助けたりしてくれます!!

 

ギャグとツッコミなら、保が両方やっているような気もしますが、、、、笑

 

いろいろな不思議体験をする保の疑問(読者も疑問に思ってます!)に、解決してくれる啓介は「さぁ?」の一言でさらっと流してしまいます

そこには本当に正体が分からないからの返事なのか、「知らない事は知らなくて良いこともある」「知らないことで関わらない選択ができる」という啓介の優しさなのか、、、、どちらもあるような気がします

 

初めて読む方、読もうかなと考えている人は、「保目線」で読むのがオススメです!

きっと次巻も似たような感じだと思いますが(笑)保と一緒に知らないことを知っていきましょう!

 

 

タイトル

  1. 黒ムシと春告げの梅
  2. もみじのあざとまじないの言葉
  3. たそがれの窓としがらみの蔦
  4. 白ムシと神依りの松
  • 昔話 まどいの辻と片割れの貝

読んでみると、タイトルにそれぞれのキーワードや話の中の怖いことが隠れています。

 

一番ゾッとしたのは、②話すね。
見えない相手のいつの間にか付いた手。
③話もですが、テレビ番組の「本当にあった怖い話」を思い出してしまうような話でした。

 

おわりに

個人的に好きな作家さんなのですが、いつもよりフワッとしている印象でした。

でも別の文庫の『陰陽師・安倍晴明』でも似たような文があったのですが

話題にするということは、気持ちが向くということで、気持ちが向くとどんなものも飛び越えてつながってしまうものなのだ

この考えは素敵だなと思います

SNSにしろメールにしろ電話にしろ、人は何かしらで繋がりを持っていたいのだと思いました

人の真理をついてくる言葉だとつねづね感じます

 

本書は、これからの序章。

丹羽家の紹介、久世家の紹介、保の紹介、啓介の紹介、弓弦の紹介が主でした

分かっている事

  • 啓介さんの左目は見えない。10年前に左目をうっかり盗られた。久世家を追放、家を出た。その後丹羽家の庭師になった。
  • 久世家の長兄は、啓介が5歳の時に事故死(ということになっている)
  • 7歳の保。何かを約束している?迎えに来るらしい

おそらく、 今後これらの謎が解明されるだろう、きっと(笑)

 

2巻も短編だが、一話一話が繋がっていて面白味が増しています!
はじめて『吉祥寺よろづ怪事請負処』を読む方は、これに懲りず2巻目を読んでから、おもしろさを判断してほしいです!!

 

2巻はさらに面白くなっています!