小説

『わたしの幸せな結婚』(著・顎木あくみ)感想 小さな幸せに気づく

全国書店員が選んだ
おすすめコミック2021

第1位

の原作小説です。

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WEBの「小説家になろう」で連載されていた『わたしの幸せな結婚』(あぎとあくみ先生)の文庫本です!

コミカライズ版も高坂りと先生作画で「ガンガンonline」にて連載中です!!

 

 

2022年4月 アニメ化決定!!!

※放送日は決まっていません

 

 

2023年 春 実写映画ROADSHOW 決定!!

公式HP 映画『わたしの幸せな結婚』

 

 

 名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と異母妹に虐げられて育った。嫁入りを命じられてと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。大勢の婚約者候補たちが三日と待たずに逃げ出したという悪評の主だった。
 切り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは色素の薄い美貌の男。
 初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていくーー。
 これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

bookより

『わたしの幸せな結婚』感想

読みやすさ 
おもしろさ 
キュン度  

まさに和風のシンデレラストーリー!

家族に虐げられてきた少女・斎森美世
冷酷無慈悲と評判の男・久堂清霞

この二人が婚約により物語が始まります!

 

シンデレラストーリーなので、もちろん冷酷無慈悲の清霞と美世が想いを膨らませていくのですが、清霞は噂の「冷酷無慈悲の男」ではありません!!

女性向けのライトノベルのポイントが盛りだくさん

美世や清霞の気持ちが素直にサラッと、スルッと入って、とても読みやすいです

二人のデートシーンもあるのですが、美世の「ずっと一緒にいたい」という切望が切ないです!

 

デートシーンの女主人の言葉で

これからは坊ちゃんの愛と財力で離さず磨き続けるのです。そうすれば、美しい女性を遠慮なく着飾る楽しみが生まれますわ!

 

自信のない美世に、自信を付けて欲しい清霞。
ゆり江の

女は、愛されて自信を付けるのですよ

の言葉がとても印象的でした

大正・明治が舞台の物語。女性が働くことが主流でないこの時代、一理あるなと。

女性は家にいるのが多い。そんな女性たちはどのように自信を付けるのか?
やっぱり自信を付けるには、「他人からの承認・評価」が必要で、一番身近な家族からの「承認」は自信が付くと思います。

美世の1番の身近は結婚後「清霞」または「ゆり江」になりますが、主人の「清霞」からの承認が重要。

 

「愛されて」にはいろいろ表現があると思います。その一つが「女性を着飾る」なのではないかと。

 

美世が「旦那さま」と、少し他人行儀で清霞を呼ぶので、いつか名前を読んでいるところを読みたいです。

 

 

ガンガンonlineのアプリでコミカライズも掲載されています!

漫画も本書のポイントを押さえているので、スイスイ読んでしまいます!
是非、アプリでも拝読を!!

 

まだまだ、謎が残る終わり方だったので2巻の方も読んでいきたいです

 

『わたしの幸せな結婚』ネタバレ考察

2つの結婚

物語は、斎森家の2つの結婚から始まります

姉・美世の結婚
妹・香耶の結婚

 

姉妹なのに、姉の美世は家族から虐げられていました

斎森家では異能の力を重視していました。その力を美世は持っておらず、妹の香耶は持っていた。美世は持っていないがために、使用人以下の扱いを家族からずっと受けていました

この結婚は、美世を家から追い出すためのものにすぎなかったのです

 

久堂家

美世の嫁ぎ先は冷酷無慈悲と噂され、3日も経たずに婚約者候補が逃げていく、久堂清霞の元でした。

彼は、対異特務小隊の隊長を務める軍人でした

 

美世は、彼の元を追い出されてしまうと路頭に迷うことになるので、迷惑をかけないように、邪魔にならないよう、炊事洗濯裁縫をし彼を少しでも支えられるよう努めました

 

清霞の元に通っている使用人・ゆり江は、今までの婚約者候補にない美世の行動に嬉しく思い、清霞(坊ちゃん)にとっても良い婚約者と認めていました。

清霞自身も、初めは斎森家からの暗殺の企ても考え疑ってしまいましたが、美世の行動と、名家の出とは思えない立ち振る舞いや身なりに疑問を持つようになり、情報屋を使って美世の事を調べました。一緒に過ごしていくうちに、誰も頼らない美世を助けたい、頼って欲しいと思うようになり、惹かれていくように、、、、。

 

美世

美世は久堂家に来てから、今まで感じたことのない気持ちに溢れていました

 

斎森家では、美世は前妻の子にあたり妹の香耶とは異母姉妹でした。
香耶の母(後妻)は、斎森の当主とは恋人同士でしたが、前妻との政略結婚により別れることに、、、、。

前妻は亡くなり、残ったその子供は異能の力を持たない子でした。

香耶の母は、恋人と引き裂いた前妻のことを恨んでいました。前妻の産んだその子供も。彼女たちが居なければ、自分だけが斎森当主の妻だったのに、と残された美世を虐げていました

 

美世は、斎森の家で味わえなかった優しさに触れていました。
ゆり江の気遣いや、冷酷無慈悲と称されていた清霞はそんな人ではなかった。とでも優しく、自分を卑下にしてしまう美世を諭してくれ、そばにいたいと思うようになりました

 

斎森家

異母妹の香耶は、力は弱くとも異能を使えます。遠くの対象を見ることも。

 

使用人以下のように扱っていた異母姉は、その小汚さから久堂家を追い出されその辺でのたれ死んでいるだろうと思っていました。

でも異能の力で見た姉は、とてもキレイに着飾っていました。

 

力のない姉が、自分より上に立つことはあってはならないと母から言い聞かされている香耶は、自分と姉の結婚の立場を入れ替えようと、姉を誘拐させます。

 

救出

誘拐された美世は、異母妹と継母から「久堂様との婚約を解消しろ」と命令しますが、美世は頑なに頷きません。

頷けば楽になることを美世も分かっていますが、久堂家で過ごした日々と清霞の隣にいたい想いで抵抗をします。

 

清霞は、誘拐された時に一緒にいたゆり江と、誘拐の実行犯である香耶の婚約者(実行したのはその父)の告白により美世を斎森家から助け出します

 

斎森家は、全焼し実質没落してしまいました

美世は最後に斎森の実家を訪れ、母が嫁いできた際に植えた桜の木を見にきました。
木に触れた瞬間に何かを感じ取りましたが、一瞬の刹那すぎて気のせいと思いました

 

考察

 

今後の前提

  • 美世と清霞は正式に婚約
  • 辰石家は当主を交代、長男の一志に。久堂家の麾下きか(=部下、監視下)に

 

残っている謎

  • 美世の悪夢には理由が?
  • 美世の母の実家・薄刃家の謎。居場所も連絡手段も不明なのに何故斎森家に嫁いできたのか?

 

美世母の「不甲斐ない私を許して」の意味が分からない、、、、、

不甲斐ない:意気地が無い、情けない
異能がないことと関係があるのか、美世の母も美世に後ろめたいことがあるのか

 

おわりに

残った謎も気になるところ

でも、美世の幸せな人生がとうとうスタートされました!幸せを願うばかりです!!

 

 

和風シンデレラストーリーと聞いて、もっと時代を遡ったシンデレラストーリーの『おちくぼ姫』を思い出しました

とても読みやすかったのを覚えていますので、そちらもいつか記事に起こしたいと思います!