吉祥寺シリーズ第2弾!!
(2024/11/21 18:24:30時点 楽天市場調べ-詳細)
すご腕陰陽師が、庭師の仕事を副業に陰陽業をしています
今回は庭師の仕事より、陰陽業の仕事メインです!
吉祥寺のガーデンショップに居候中の大学生・保。兄のような存在である庭師の啓介が、実はすご腕の陰陽師であると最近知ったが、それ以上に詳しいことを教えてもらえないのが不満の種だ。そんなある日、保と啓介は庭の手入れを依頼され、練馬の一軒家を訪れる。だが突然井戸から黒い煙のようなものが噴き出し『うそ…つき……』という女の声が。そしてさらに災いは連鎖していきーー!?現代の陰陽師ものがたり、第2弾!
bookより
『吉祥寺よろず怪事請負処』感想
読みやすさ
おもしろさ
怖さ
ミステリー
今回はミステリー度が増しています!
良い感じに?お話同士が繋がっているので読み応えがあります!
啓介さんの「さあ?」のおとぼけも健在です、怖いことに巻き込まれる保も健在です
謎も深まるばかりです
じわじわと来る怖さ。でも書いている作者さんは、ホラーが苦手と言っている。かなり矛盾していますが、しっかり怖いです。でもその怖さを、グルメが掻き消してくれます!
『吉祥寺よろず怪事請負処 人待ちの庭』ネタバレ
今回か、読むあたりにお話が少しずつ繋がっていて、ややこしい部分もあったので、そのまとめも兼ねています。
ネタバレは嫌!って方は本書を読んでからお願いします。
丹羽家 と 久世家
それぞれの家族が、多いのとややこしいのを抱えているようなので家系図にしてみました
丹羽家
久世家
一話 実らずの柿と人待ちの夕べ
依頼人 八木道雄さん
- 八百屋の主人
- 啓介が別の依頼者宅にいた時に、依頼者宅に宅配にきた八百屋さん
- 宅配をした先の依頼者に啓介を紹介され、「俺のところも頼むよ!」みたいな感じで、八木家の庭の手入れと実家で起こる不可思議の解決を依頼した
八木さんの実家は、不可思議の事態なので本業の啓介さんが赴くことに。
実家は八木さんの両親が他界した後に空き家になっていましたが、八木さん息子さんが結婚を機に実家に住むことになり、住む前に掃除をしていたところ、、、、掃除したところに泥があったり、何かに家から押し出されたり、出された後に引き戸が開かなかったり、様子を見てたら中の荷物が引き戸が独りでに開いて荷物が放り出されたり、唸り声が聞こえたり……
まさに不可思議、、、、これを解決するために啓介が動きます!!!(保も同行)
この家には不可思議な木もありました、実をつけない柿の木
柿の木は、八木さんが生まれる前からありました。その頃から一度も実をつけたことがないようです
- 実をつけない柿の木
- 不可思議な現象が起こる家
- たびたび聞こえる、唸り声
これらを解決するためのキーパーソンは、一枚の写真から分かりました
柿の木 と 犬 と 一人の青年(元一さん) が写った写真が出てきました
柿の木は、例の実のならない木のこと。
犬は、八木さんの祖父のお兄さんが可愛がっていた犬・三郎太。
青年は、八木さんのお爺さんのお兄さん(元一さん)のこと。
この時点で、もうややこしいと思います。
つたない八木家の家系図を描いたので、これを参考に、、、
啓介さんは、どうやってか柿の木から不可思議の原因を聞き出していました
元一さん:犬の三郎太と柿の木と写った写真を撮ってすぐに、仕事に行く途中で事故で亡くなった
犬・三郎太:元一さんを待っている
柿の木:約束をしたのに戻ってこないから、戻ってくるまで隠してる(柿の木を植えたのは元一さん。やっと花の咲いた年に元一さんは亡くなった)
約束とは、、、、
初物の柿を、三郎太と一緒に食べる約束をした
柿の木と犬の三郎太は、仕事に行って帰ってこない主人(元一さん)をずっと待っていました。犬の三郎太ももちろん亡くなっています
死してなお、待ち続けている犬。
まるで「ハチ公物語」のようなお話
同行している保も「ハチ公物語」想像したようです、、、、
私は、リメイク版の「HACHI」を思い出しました。こちらも泣けます
つまりこの家の不可思議は、幽霊になっても主人を待っている三郎太と柿の木が起こしていた
これを、啓介さんが救います!
三郎太はもちろん、主人に会えました
二話 移り気の花とささやきの井戸
依頼人 反町さん
- 八百屋の八木さんのお得意様
- 最初の啓介さんの依頼者、居合わせた八木さんに啓介さんを紹介
- 庭の手入れをしていたおじいさんが体調を崩して入院。「庭の手入れを任せるなら丹羽さんのところ!」と言って、丹羽家に庭の手入れの依頼をした
- 井戸の水が変に濁っておかしい、のでその調査も
赴いたのはもちろん、啓介さんと保
この反町家でも不可思議なことが起こっていました
- おじいさんが入院する前に、毎夜毎夜夢枕に女が立って「うそつき」と繰り返され、体調を崩して入院
保も仕事の最中、女の声を聞きます
啓介さん曰く、
- 反町家の近隣で井戸が潰されて、それが悪さをした、らしい
- なぜ、おじいさんの元に来た女は、よその井戸の水霊の類のもので、聞いてくれそうなおじいさんのところに来たと思われる(啓介さんの想像の域)
なんて迷惑な、、、、
おじいさんは夢見が悪くて、体調まで崩してしまったのね、、、、
その後の様子が書かれてなかったので、回復を祈るばかりです、、、、
三話 きざしの髪と幽世の水辺
依頼者 須川千春
- 反町家からの紹介
- 作ったばかりの蹲の水が涸れてしまうので原因を探ってほしい、と依頼。
蹲の水が、陽が暮れると涸れてしまう。朝になると蹲には、黒い糸(=人間の髪)がある。 - 夫・安弘が朝になると髪を片付けるのだが、平気な顔をしている
蹲は、使用するのにつくばう高さのもの。手水鉢を中心に「前石」「手燭石」「湯桶石」「水門」で構成されているものらしい。
この溜まる水が涸れてしまうらしいです。またまた不可思議。
- 中国地方の山奥の大地主。
大層古い家柄
かつては広大な土地を所有していた - 昔、旱があり、ひどい飢饉が起こった。その時、水を与えてくれるようにと、山の神を祀る血筋の娘が人柱に立ち、土に埋められた。埋めた上には大きな岩を置いた。岩は真っ二つに割れ、澄んだ水が湧き出た
- その水で飢えは満たされ、病が全快、怪我が一晩で治癒。水は万病に効く霊水と呼ばれた
- 一家は、霊水の守り役になった
- 霊水をめぐって争いも起こったとき、霊水は涸れた。神の怒りを鎮めたとき水はまた湧いた。霊水の湧く土地は禁域になり、井戸を掘って霊水を引いた。
- 霊水を使って事業を起こした。でも事業に失敗して親族同士の財産争いが重なって身代が傾いてしまった。
- 首が回らなくなった時、成金の実業家(須川安弘)に土地屋敷を買いたたかれた。買収の条件に屋敷と庭を手を付けずに保存を希望した。
保にも、不可思議な現象が起きてます。
弓弦にも、不可思議が起きているみたいです。
保は、髪が目に付く
弓弦は、夢見が悪い
保は、本能的に弓弦に髪のことを相談。話を聞いた弓弦も夢見の悪い原因が発覚。
保がどこかの水辺に立って、足に長い髪が絡みついて、引きづり込まれそうになる夢
10年前くらい前に、同じような夢を見たことがある。その時は知らない子供だった。後にその子供が久世家の長兄の一貴だったことを知る
さり気なく、過去の出来事が引っ張り出されつつあります
まだ久世家の長兄については謎が多く、次男の啓介が幼い頃亡くなったことが分かってます。実は保と関係があるのか。
啓介さんの言葉
「あの幽世の水辺は、ここだったのか」
また謎が増えてしまった。
あの幽世の水辺 → 久世家の長兄の時の水辺?(弓弦の夢の水辺?)
ここ → 湧水の守り神?
四話 送りの風と帰らじの笹舟
三話の続きです。須川家の依頼の完結編?かな?
保は、長い髪の女に襲われますが、謎のお坊さんに助けられます
いつもは保を啓介さんが助けてくれますが、タイミング悪く啓介さんは現世にはいなかったのです。
啓介さんは、外出中で幽世のお母さんのところにいました。
須川家の依頼を解決するには、啓介さんの力では足りないらしく、お母さんが預かっているお兄さんの力を借りにきたようです。
もうこの時点で不可思議なことが起きているが、久世家では当たり前の出来事、現象のようです。
ここで啓介さんの左目が見えなくなった時のことが描かれていました
- 昔、久世家一族が封印した禍をなす木(=躯樹)の封印が弱まっていたので、再封じの役割を啓介が担った。
- 封印は、無理矢理ほころびを作られた感じだった
- 役目を果たした後、一瞬の目眩で全く違う場所に居た。水辺に立っていた(=幽世の水辺)
- そこで見たのは、子供の亡骸を抱いた女
- 子供は、啓介の兄。女は手を離し、子供は水辺に沈んだ
- 女は兄が使役していたモノがとる仮の姿。「うそつき……戻ってくると、言ったのに」とつぶやく
- 女の顔は、怒っていた
啓介さんは、お兄さんの居た場所は分かっていたようでしたが、「どこの」場所かが分かっていなかったよう。
今回の水霊の件で、何かが分かったようです。読者にはまだ分かんないところが多いですが、、、、。
現世に戻ってきた啓介さんは、須川家の解決に向かいます
弓弦の情報で、久世家は今回の水霊に昔関わっていたようです。その関わった時の封印が何者かによって壊されていたみたいです
啓介さんの見立てでは、手水鉢には憑いていました。封印されていたモノが、解き放たれ手水鉢に憑いた
その憑いているのもが、須川家を祟ったのが今回の事件
- 依頼主の夫・須川安弘は、買収した土地と屋敷を買収の条件を反故し、取り壊し潰してしまった
- 憑いていたのは = 人柱になった娘。と無理やり屋敷や土地を奪われた者たちの恨み怒り。
- 人柱になった娘は、湧水の守り神。井戸を潰して手水鉢を盗んだ須川安弘を祟った。
しかもしかも
二話の反町家の井戸の水が濁っておかしくなったのも、須川家から貰った植木が反町さんの家の近隣の井戸の水霊をおかしくさせた。
植木は、須川安弘が潰した中国地方の大地主の土地から持ってきたもの。それにも憑いていた。その憑いていたモノが、反町家近隣の井戸の水霊をおかしくさせた
須川安弘が起こしたことが、周りにも悪影響を及ぼした事が真相。
悪いことはしては、いけませんね、、、、
一人が起こしたことに家族も巻き込まれてしまう。そんな悲しいことはありませんが、須川家の奥さんが啓介さんに依頼したことで、解決。よかったよかった。
しかも、今回の発端の水霊の封印を解いたのは、保を助けた謎のお坊さん!
このお坊さんは、久世家と因縁があるようです
事件解決時点で、もちろん保も居ました。その時、あることを思い出したようです
保の記憶 どこかの白い霧の森の奥 と その中の人影
- 白い霧の森 = おそらく幽世
- 人影 = 子供。「待ってるよ、たもつ」とささやく
きっとこの先のお話で、明かされるであろう謎。なのでココでメモしておきます。
増えた謎
- 謎のお坊さんの正体
- 保の記憶の子供、ささやき
- 久世家長男の行方(母・夏緒の形見の帯飾りに長男の霊力が宿っている)
- 1巻の、7歳の保が約束したこと
謎が増えるばかりです。これがキレイさっぱり解決する時が楽しみです!!
昔話 目先の得といつかの禍
7歳の保と20歳の啓介さんのお使い と「因果応報」のお話
「因果応報」と言えば、悪いイメージを想像しがちですが、良いこともあるんだよってお話でした。
本編が怖い井戸だったり、長い髪の女の話だったり、怖いお話ばかりでしたのでほのぼのしました。こういう良いお話は、小さい子に聞かせたい読んでほしいなと思いました(^^)
おわりに
2巻は、最後の「昔話」を読んで「因果応報」のお話だったんだなと思いました。
五話中のお話のうち2話(三話四話)が須川さんの「因果応報」。
二話の反町さんは飛ばっちり。
一話の八木さんは紹介。
須川家を中心に怪異が起きていました。須川さんが起こした悪さが周りを巻き込んでしまった。なんて傍迷惑な。
でも最後は解決してすっきり。解決する啓介さんは、スマートでクールでかっこいいです!
怖い話ばかりでなく、保と啓介さんの弟・弓弦のグルメ場面もあります!
いつか、行ってみたなと思わせるお店ばかりです!
怖い話 × グルメ
なんてミスマッチwww
でもそこがほのぼのします
http://treeewind.com/novel/yukimituru-niwa1/