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WEBの「小説家になろう」で連載されていた『わたしの幸せな結婚』(顎木あくみ先生)の文庫本です!
コミカライズ版も高坂りと先生作画で「ガンガンonline」にて1巻のお話が連載中です!!
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継母に虐げられて育った美世は、冷酷な軍人と噂の清霞と婚約した。誰もが不幸な結末を予測したが、いつしか清霞と美世はお互いの優しさに惹かれ合う。
美しく強い清霞に少しでも追いつきたくて、勉強を始めた美世。二か月後のパーティでの社交デビューを目標に頑張ることは楽しいことだった。そんな中、なぜか夜ごと悪夢に苛まれ、誰も頼れす美世は体調を崩してしまう。さらに美世を狙う者が現れ、美世と清霞の気持ちはすれ違いーー。
これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。bookより
『わたしの幸せな結婚 二』感想
読みやすさ
おもしろさ
キュン
「小説家になろう」からの小説なので、読みやすくて情景描写が浮かびます。活字が苦手な方でも読みやすいかと!漫画もあるのでそちらから読むのもオススメです!
美世の家族にまつわる、1巻の解答編!
清霞の婚約者として恥ずかしくないよう、ふさわしい振る舞いができるよう淑女の勉強を始める美世!
頑張る女の子は、みんな大好きなはず!!できないなりに頑張ろうとする健気な姿勢に目が潤んでしまいました
でも、やっぱりすれ違ってしまう展開が起こるのが頑張る系ヒロインのお話の醍醐味!そして、そんな二人を助けてくれるのが家族でした
清霞は、姉に
美世は、突如現れた祖父に
頼るというのは、他人に丸投げするという意味ではない。ひとりで持つには重すぎる荷物を、いくらか持ってもらうことだと儂は思う。そうして荷物を持つ苦しみを労いあい、運び終わったときの喜びをともに味わう。それを何の気兼ねもなくできるのが、家族だろう。呆れさせても、怒らせてもいい。よほどでなければ、家族の絆は壊せれりせん
美世の祖父の言葉です。
確かに、「気兼ねなく」接することができるのは「家族」だけかも。と思いました。そんな「気兼ねなく接することのできる人」と家族になりたい、という思いが結婚に繋がるのかな。
美世は特にその思いが強く感じました
2巻は、「家族」がテーマだった気がします。
「家族」を知らない美世が、誰と「家族」になりたいのか、その選択。
自己主張は今でも小さいですが、清霞に対する想いだけは強く、美世をさらに強くしてくれる源にも感じます
『わたしの幸せな結婚 二』ネタバレ
1巻のおさらい
今後の前提
- 美世と清霞は正式に婚約
- 辰石家は当主を交代、長男の一志に。久堂家の麾下(=部下、監視下)に
残っている謎
- 美世の悪夢には理由が?
- 美世の母の実家・薄刃家の謎。居場所も連絡手段も不明なのに何故、斎森家に嫁いできたのか?
美世は久堂家で過ごすようになってから、毎夜悪夢にうなされています
2巻は、その完結編
以下はネタバレになりますのでご注意を!
悪夢と淑女の勉強
美世は、久堂家で過ごすようになってから毎夜悪夢にうなされています。それは斎森家が没落しても変わらなかった
以前は斎森で過ごしていたときの過去の夢でしたが、最近の夢は見ず知らず人からの罵倒、狭い場所に閉じ込められるなど、斎森の家族は出てきません。でも夢を見たくないあまりに寝不足になっていきます
同時に、淑女の振る舞いの勉強を再開し始めました。
師事するのは、清霞の姉・葉月
2ヶ月後に開催されるパーティに向けて、清霞の婚約者としてふさわしくなれるように淑女の勉強をし始めました
清霞は、頑張る美世を尊重したい気持ちと毎夜うなされて体調が万全でない美世を心配しています
オクツキ(異能者たちの墓)の破壊
何者かに、異能者の墓を暴かれる事件が起きます
その事件を請け負うのは、清霞の部隊。
オクツキは異能者たちの墓であるが、異能者は一般的な供養では成仏できないため、普通の霊魂よりも強い力を持っています。それと対峙するのは清霞の部隊に当たるため出陣していきます
この事件が、清霞と美世を引き離してしまいます
薄刃家
清霞を通して、美世の母方の親戚・薄刃家との接触に成功します。清霞は美世の悪夢を解決するために斎森家の一件が終わっても調査を続けていました
美世も淑女の勉強で街に出ていた時に、従兄にあたる薄刃新と接触していました
美世は薄刃家で街で会った人が自分の親戚だと知って驚きます。そして美世の祖父とも面会することに。
清霞は、今まで調査しても浮上してこなかった薄刃家の情報が突如として浮上してきたことに、薄刃家も美世との接触を図ろうとしていたことを知ります。
そして、どうして斎森家から美世を助け出せなかった真相と美世の母が斎森家に嫁ぐことになった真相を知ります
美世をかけて、清霞と新は決闘をして清霞は負けてしまいます
新と義浪
清霞が決闘に負け、美世と引き離されることに
清霞は美世自身に選ばれなかったことでショックを受けてましたが、勉強を教えに来た姉・葉月に美世の想いを諭され正気になりましたが、オクツキの事件が悪化し出陣しに、、、。
美世は薄刃家で過ごしている間は、薄刃の結界で悪夢を見ることがなくなりました。従兄の新に「清霞に会いたい」とお願いしましたが断られてしまいます。
新は、美世の身の回りの世話をしたり、話し相手になっていました。その中で薄刃の力のことを知ります
薄刃の力
- 人の脳や精神に作用する力。通常の異能は対異形を倒すもの。薄刃の力は対異能者。異能者を止めるもの
- 薄刃の人間は自分たちの力の強大さを分かっているから、家には厳しい掟を作っている。
- 掟の中には、本名を外では名乗っていけない、などがある。
- 夢見の力は、薄刃家の女性のみに発言する
- 夢見の異能者は何十年かおきに生まれ、その母は精神感応を持っていた。(美世の母も弱いながらも精神感応を持っていた)
(家の掟を守っていることで、表と裏の名前があった。そのため清霞は薄刃家の調査が難航していた。)
新は、ずっと美世を待っていました。自分に役目を与えてくれる美世を。代々夢見の力を持つ女性を守る役目を。
新に「守る役目を」と求められ、でも求められても考えるのは清霞のことばかり。でも会いにいけない状況を作り出しまった自分に後悔をするばかり
薄刃家に来て4日
祖父・義浪が会いに来てくれた時に「清霞に会いにいけないか」とお願いしますが、そこでとある方面から念を押されできないことになっていたことを知ります
義浪から清霞が任務についていることを聞き、清霞が大変な時に傍にいられない自分の情けんさに涙を流します。義浪は、涙を流す美世と新は似ていると言われます。
新や祖父の義浪に慣れない美世に「家族だから頼って欲しい」と願いますが、斎森家での生活で ”家族との接し方の分からない” 美世は困ってしまいます
困っている美世に
頼るというのは、他人に丸投げするという意味ではない。ひとりで持つには重すぎる荷物を、いくらか持ってもらうことだと儂は思う。そうして荷物を持つ苦しみを労いあい、運び終わったときの喜びをともに味わう。それを何の気兼ねもなくできるのが、家族だろう。呆れさせても、怒らせてもいい。よほどでなければ、家族の絆は壊せれりせん
と義浪は言ってくれます。
義浪と話していううちに、美世は家族になりたい相手は清霞だけと気づきます。
再会
新から、清霞が任務中に攻撃を受け意識不明になった情報が届きます
一度は新に出て行くことを止められましたが、新も美世と一緒に久堂家に行くことにしました。
清霞は、オクツキの死者の強い怨念を浴びて眠っていました。清霞を目覚めさせる方法は美世の夢見の力が必要でした。美世は新の指示に従い、夢見の力を使って清霞を救います
一方、清霞は夢の中でオクツキと戦っていました。
切っても切っても、死霊は清霞に攻撃をしてきます。それは永遠にも感じて清霞を疲弊させていきます。
美世のことも気がかりで、諦めきれなくて、この状況から抜け出せないことに焦りを感じてたところに、美世が助けにきてくれました
美世は清霞を助けにき、清霞が苦戦していた死霊を退治してしまいます
死霊を退治したことで、清霞も美世も夢から目を覚まし現実世界で再会をします。
新は、美世を薄刃家に連れて帰ることを諦め、一人で帰っていきました
パーティー
パーティーの主催者は、大海渡征。清霞の姉・葉月の旦那さんでした。
美世の初めてのパーティーは、緊張しながらも楽しめました。が、帝の次男・堯人と対面し、今回のオクツキの件、薄刃の件、斎森の件、美世の身に起こった全ては帝が起こしたことでした
真相
- 帝は皇太子の頃から薄刃の夢見の力を恐れていた。
夢見の力に天啓が劣った時、自らも一族も地位を追いやられてしまうのではないかを危機感を持っていました - 薄刃澄美が精神感応を持っていると知り、危機感は現実味に…
薄刃の力を削いでしまおうと画策
- 鶴木貿易の経営の傾き
- 斎森家に夢見の力を教え、多額の金を帝が渡した
鶴木貿易の再建のために斎森から金を受け取り、薄刃澄美を斎森家に嫁がせる
- 美世の夢見の力は母・澄美よって隠蔽されたが、美世が斎森家から出たことで澄美の封印が解け、そのことが帝に美世が夢見の力を持つことを知った。
美世が久堂家に嫁いだことで
久堂家が力を増すことに脅威を感じ
オクツキの事件で清霞と美世を引く離した
- 薄刃家に美世を留めるように言い付けたのは、帝だった
美世が産まれる前から仕組まれていたことでした。これに堯人は美世に謝罪しました。
事件解決からひと月後
しばらく音沙汰のなかった新が久堂家を訪ね、清霞がいない間の美世の護衛を申し出ました。
おわりに
新しい登場人物がいっぱいでした
でもまさかまさかの1巻より前の美世が産まれる前から画策されてものだったとは、、、、
1巻の謎が解決した解答編でした
まだまだ3巻、4巻と続きますのでご注意を!