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中学駅伝のお話
陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは何やら頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷を繋いでゆく。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。
bookより
『あと少し、もう少し』感想
2019年本屋大賞になった瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」を読んで、他の読書家さんにオススメされた一冊です!
主人公・桝井と同級生の設楽の中学最後の駅伝大会に参加するべく、陸上に奮闘する中学生たちのお話
話は、各区間の走る生徒がスタート・走っているところから始まります。区間選手たちの駅伝を始めるまでの走馬灯のような感じの物語でした。
中学ならではの理不尽や、人との距離感との葛藤。懐かしさを感じました
各生徒の学校での顔と家での顔があることに、ギャップも感じ面白かったです!特に大田くんの料理ができることにギャップを感じましたw
大田くんの回で怪我のエピソードもありましたが、中学生にぜひ読んでもらいたいと思いました
桝井「故障は恥だから」
大田「それは違う。怪我を言い訳にすることが恥なんだ。故障なんてただ運が悪いだけだ。俺、勉強投げだして、たかだか捻挫で駅伝放り出して、昨日の壮行会でもあんなだったけど、でも、失敗したって、ここぞって時には、ちゃんと自分のいる場所にいればそれでいいんだって。」
不良の大田が気づいたことに説得力が感じました
特に中学生は部活を頑張って怪我をしてしまうことが多いと思います。「先がある、長いのだから気長に治すべき」と大人は言うけど、彼らには「今」が全てなんですよね。大人だからわかってきたことで、子供の気持ちも分かる。葛藤だな〜
色々な葛藤のあるお話が多かったお話でした。
読書メーターのレビューで、選手の一人の渡部くんが別作品「その扉をたたく音」に、大田くんが「君が夏を走らせる」に出ているとの情報を得たので、彼らがどんな子供?大人になっているのか、、、、是非読んでみたいです!
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「あと少し、もう少し』ネタバレ、登場人物
3年最後の年に、鬼顧問で神顧問の満田先生が移動してしまった
次の顧問は、20代後半の美術教師・上原先生
1区 設楽亀吉 (3年)
走るのは好きではないが、駅伝は好き。小学校の時はいじめられっ子で。中学で陸上はしないつもりだったが、同級生で人気者の桝井に「陸上部に入ってくれたら、嫌な目には合わせない」と魅力的な提案をされ、陸上部に、、、、。
上原先生に変わっても設楽の態度は変わらない。変わらないのに、記録が出ないことに悩みます。その理由が、陸上が分からない上原先生に指摘されて判明されました。
2区 大田 (3年)
「やってもできない」問題にぶつかった時、「できない」と他人に証明される前に投げだしてしまう性格。
学校の不良生徒。小6の頃に駅伝に参加したが、大会直前に捻挫をしてしまい大会は設楽が出ることに。中学の駅伝には、桝井に勧誘され参加。
設楽のことは小2の時からライバル視している。
壮行会の時に、人にみられている緊張から逃げ出してしまうが、翌日の大会には黒染めせずに坊主にして参加をした
3区 仲田真二郎(ジロー) (3年)
ムードメーカーでお調子者。
担任の小野田先生に頼まれ、駅伝に参加。小学校の頃から頼まれ事を断れない。駅伝も最初は断ったが、母親経由でまた頼まれてしまう、、、、。
翌朝練習に参加した時、吹奏楽部の渡部がいてビックリした。彼のことが苦手で、彼は自分のことが嫌いなのかもと思っている
走っていて、記録会では記録は伸びているが、メンバーの中で自分が足を引っ張っているのは分かっていた。壮行会で、自分より走れる大田が逃げ出そうとして喧嘩になってしまう。
みんなは逃げ出した大田を庇うが、渡部だけが「ジローが正しいだろ」と庇ってくれた。放課後に自分に突っかかってくる渡部にその理由を聞き、頼まれたら引き受けてしまうジローの事を心配していたらしい。
大会当日は、坊主で参加。
4区 渡部孝一 (3年)
吹奏楽部でサックス担当。
駅伝には、桝井と俊介に勧誘され、最終的に上原先生に勧誘されて参加。昨年に、前顧問の満田先生に「陸上向きの身体をしているから参加してみないか」と勧誘されたがその時は断った。
上原先生には作り上げられた「俺」を見抜かれていたのと、芸術的観点からの勧誘で落ちた。
記録会のたびにチーム員から離れて、おばあちゃんが作ってくれたお弁当を食べてたが、俊介はお弁当のたびに寄ってきていた。俊介にほだされ、自分を打ち明けた。
おばあちゃんしかいない自分が嫌いなこと。複雑な家庭環境で、それがバレないように皆んなと同じような生活をしているように見せていたこと。
上原先生には見抜かれていた。最後に俊介と自分の中を見せ合えた。
5区 河合俊介 (2年)
幼馴染の修平に誘われて陸上部に。最初はバスケ部に入ろうとしたが、桝井の走り姿に見惚れ憧れた。
渡部の勧誘に苦戦していた麻酔を見て、一緒に勧誘。やっぱり苦戦して上原先生に頼むことに。2日後渡部は来てくれた。
桝井が調子を崩しているのも感じていた。駅伝当日の区間を発表された時、俊介はアンカー6区に選ばれたが、それはおかしいと感じていた。
その帰り道、桝井に「もっと走れるだろ」と桝井に遠慮していること指摘される。最後の記録会の試走では、桝井より早く走れた。
モヤモヤした気持ちがあり、修平に話を聞いてもらおうと思ったが修平はわざと話を逸らしているのを気がついた。桝井に対しての憧れや尊敬はその域を出ていて、その気持ちを渡部が代弁してくれた。
駅伝当日は上原先生により、区間を変更され5区を走ることになった
6区 桝井日向 (3年)
親から、「偉くなくていい、周りに優しく暖かく照らせるような人になって欲しい」と名付け、育ててくれた。
小3で野球をやるが、上級生とうまくいかなくて辞めてしまう。野球を辞めてからは陸上にハマった。でも野球をやっていた時の失敗を繰り返さないために注意深く行動した。
3年になって顧問が変わってからは、不安と焦りと苛立ちが高まっていた。でもそれを表に出さないようにしていた。
駅伝のチームを作るとき、一番最初に大田の顔が浮かんだ。大田の走ることへのひたむきさは自分と似ていると小5の時に思った。ずっと一緒に競って走りたいと思っていた。小6の時にその機会が訪れたと思ったが、大田の怪我で一緒に走ることはできなかった。
大田を参加してもらうことには成功して、次は吹奏楽部の渡部を俊介と一緒に勧誘したができなく焦ったが、俊介の提案で上原先生に頼んだ。そしてあっさり渡部が参加したことに少し釈然としなかった。
最後のメンバーにはジローが欲しかった。チームの空気の重さをジローの明るさで変わるだろうと思っていた。
ジローが参加してやっとチームのスタート地点に立った。でも桝井の不調は変わらず増すばかりだった。
病院に行った結果、スポーツ貧血だった。足の裏で赤血球が壊され鉄分が流れて貧血に、、、、。走った分だけ疲れてしまう、不調が改善しない原因だった。
母には駅伝の参加を反対されなかった。
大会当日
走りながら、他のメンバーとのやりとりを思い出す。大田には励まされ、渡部のサックスで弾いていた曲を思い出し、ジローに励まされ、設楽との今までのやりとりや今朝の最後の練習、俊介が練習のたびに桝井に聞きに来てたこと
駅伝を走りきり、お話は終わります
『あと少し、もう少し』入試
- 品川女子学院中等部(平成26年度)
「6区」 - 三輪田学園中学校(平成26年度)
「3区」 - 宇都宮短期大学附属中学校(平成28年度)
「4区」P208 〜 - 吉祥女子中学校(平成28年度)
「6区」 - 鎌倉学園中学校2次
「2区」
おわりに
中学受験でよく使われる小説みたいです。中学受験を考えている方が必読です!
読書メーターの他の人の感想で、選手の一人の渡部くんが別作品「その扉をたたく音」に、大田くんが「君が夏を走らせる」に出ているとの情報を得たので、彼らがどんな子供?大人になっているのか、、、、是非読んでみようと思います!!